スマホの充電が1%になると、急に人生が短くなる

Gusha「スマホの充電が1%になると、俺の人生も残り1%って感じがする」

Kenja「バッテリーと寿命を連動させるな。充電すれば戻るだろ」

Gusha「でも20%なら余裕なのに、1%だと急に世界が終わりそうになるんだよ。さっきまで動画を見て笑ってたのに、今は画面の右上しか見てない」

Kenja「動画を止めて充電しろ」

A worried blonde woman stares at her nearly empty smartphone battery while a silver-haired man calmly holds a charging cable beside a table with a power bank.

Gusha「それができたら苦労しない。まず、どのアプリを閉じるか考える」

Kenja「考える時間で充電器を探せるぞ」

Gusha「地図は閉じる。天気予報も閉じる。写真も閉じる。時計も閉じる」

Kenja「時計を閉じたら時間がわからなくなるだろ」

Gusha「時間を知ったところで、充電は増えない」

Kenja「哲学みたいな顔で節電を語るな」

Gusha「しかも1%になると、普段まったく使わない機能まで気になってくる。スマホの裏側に何か省エネの秘密が隠れてないかなって」

Kenja「裏側を見ても、カメラとロゴくらいだ」

Gusha「カメラを使わなければ、カメラも休めるじゃん」

Kenja「使ってないカメラは、もともと休んでいる」

Gusha「じゃあ、画面を暗くする。これなら確実」

Kenja「それは効果がある。画面の明るさを下げるのは節電になる」

Gusha「真っ暗にした」

Kenja「何も見えないだろ」

Gusha「節電には協力的なスマホだね」

Kenja「持ち主にも操作に協力してもらえ」

Gusha「俺は今、画面を見ないで操作する修行をしてる」

Kenja「修行の成果が出る前に電源が落ちるぞ」

Gusha「待って。1%って表示されてから、意外と長く持つことがあるよね」

Kenja「機種や使い方による。1%でも、すぐ切れるとは限らない」

Gusha「そうそう。だから俺は、1%を信じてる」

Kenja「残量表示を信仰の対象にするな」

Gusha「だって、前に1%のまま駅まで歩けたんだよ。地図を開いて、乗換案内を見て、メッセージまで送れた」

Kenja「それは運がよかっただけかもしれない。電池が切れたら、地図も連絡も使えなくなる」

Gusha「つまり、1%は最後の力を振り絞ってくれてるんだね」

Kenja「スマホに感情移入しすぎだ」

Gusha「俺、あのとき心の中で応援したもん。頑張れ、あと三つ信号を渡れば駅だぞって」

Kenja「マラソン選手みたいに扱ってるな」

Gusha「でも途中で画面が消えたら、俺も道の真ん中で立ち尽くすよ」

Kenja「だから充電器を持ち歩くか、出発前に充電しろ」

Gusha「モバイルバッテリーなら持ってるよ」

Kenja「それなら安心じゃないか」

Gusha「ただ、モバイルバッテリーも充電が必要なんだよね」

Kenja「当たり前だ」

Gusha「スマホを助けるために、もう一人のスマホみたいなやつを育てなきゃいけない」

Kenja「育成ゲームじゃない。使う前に充電するんだ」

Gusha「しかも、いざ使おうとするとケーブルがない」

Kenja「それは準備不足だ」

Gusha「ケーブルはある。でも端子が違う」

Kenja「それも準備不足だ」

Gusha「じゃあ、ケーブルはある。端子も合う。でもモバイルバッテリーが空っぽ」

Kenja「それはただの重い箱だ」

Gusha「カバンの中に、希望の形をした重りが入ってる」

Kenja「詩的に表現しても充電はされないぞ」

Gusha「そこで俺は考えた。スマホが1%になったら、何も操作しなければいいんじゃない?」

Kenja「画面を消しておけば、電池の消費を抑えられるな」

Gusha「うん。だから電源を切った」

Kenja「それはもう、スマホを使っていない」

Gusha「でも安心感は100%になったよ」

Kenja「充電残量は0%だろ」

Gusha「違うよ。俺の心の残量が100%」

Kenja「スマホを切っただけで、そんなに元気になるのか」

Gusha「うん。だって、もう残量を確認しなくていいんだもん」

Kenja「確認できないだけだ」

Gusha「ところで、今何時?」

Kenja「スマホを切ったから、わからない」

Gusha「時計を閉じるんじゃなかった。時計だけは残しておけばよかった」

Kenja「腕時計を買えば解決する話だ」

Gusha「それだと腕時計の電池も気になるじゃん」

Kenja「機械から離れろ」

Gusha「わかった。明日から、太陽の位置で時間を読む」

Kenja「曇ったらどうする」

Gusha「スマホを1%まで使って、天気予報を見る」

Kenja「結局そこに戻るのか」

Gusha「大丈夫。今度はモバイルバッテリーを満タンにしておく」

Kenja「スマホも満タンにしておけ」

Gusha「両方100%になったら、俺は何%まで安心していいの?」

Kenja「お前の安心にバッテリー残量はない」

Gusha「じゃあ、安心は無制限プランでお願いします」

Kenja「そのプラン、解約してくれ」

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