I canceled it, but it's increasing again.

解約したのに、また増えてる

Kenja the Sage と Gusha the Fool

Gusha「Kenja、この前さ、“サブスク整理した俺”に酔ってたんだよ」

Kenja「危ない酔い方だな」

Gusha「スマホ見ながら、“俺はもう無駄に支配されない人間です”みたいな顔してた」

Kenja「数日前まで動画3個同時再生してた人が?」

Gusha「そう。で、調子乗って通知全部切ったの」

Kenja「いいことじゃない」

Gusha「そしたら逆に怖くなった」

Kenja「なんでだよ」

Gusha「静かすぎて。“あれ? 世界、俺のこと忘れた?”って」

Kenja「依存の症状なんだよ」

Gusha「だから一回、自分から動画アプリ開いちゃった」

Kenja「自分で騒音を探しに行くな」

Gusha「でもさ、不思議なんだよ。前は“暇つぶし”だったのに、整理した後に見ると、“今日はこれ見たい”って感覚になるの」

Kenja「量が減ったから、一個ずつ選ぶ感覚が戻ったんじゃない?」

Gusha「前まで“流れてくるもの”食ってたんだな、俺」

Kenja「サブスクを摂取物みたいに言うな」

Gusha「あと、音楽も変わった」

Kenja「どう変わった?」

Gusha「昔はプレイリスト無限に流してたけど、今さ、“このアルバムを最後まで聴く”とかやるんだよ」

Kenja「ちょっと丁寧な人みたいになってるな」

Gusha「昨日なんか、1曲目終わったあと普通に窓見てた」

Kenja「何その海外映画みたいな時間」

Gusha「俺も怖かった。“俺、今ちゃんと余韻感じてる…”って」

Kenja「余韻を心霊現象みたいに言うな」

An image of listening to music with your smartphone face down in a quiet room late at night.

Gusha「でもな、整理したあと気づいたんだけど、“使ってないのに解約しない”って、ちょっと変な感情あるよな」

Kenja「まあ、“いつか使うかも”は強い」

Gusha「ジムとか完全にそれだった。“未来の頑張る俺”に課金してた」

Kenja「未来の自分を人質に取るタイプね」

Gusha「英語アプリもそう。“明日から海外行くかもしれない”って顔で契約してた」

Kenja「行く予定ゼロだろ」

Gusha「ゼロ。でも、“やる気の残骸”が月額で残るんだよ」

Kenja「……それ、ちょっと分かるな」

Gusha「おっ。」

Kenja「僕も昔、文章書くアプリ契約してたんだけど、“契約してるだけで賢くなった気”してた」

Gusha「あるよな! “使ってないのに自己肯定感だけ発生する期間”!」

Kenja「言語化が妙に嫌だな」

Gusha「サブスクって、“サービス”っていうより、“理想の自分の会員証”なんじゃね?」

Kenja「……」

Gusha「“映画を観る自分”“筋トレする自分”“勉強する自分”」

Kenja「確かに、“今の自分”より、“なりたい自分”に払ってる感じはある」

Gusha「だから解約ボタン押す時、ちょっと敗北感あるんだよ」

Kenja「分かる。“もう君は運動しませんね?”って確認されてる気がする」

Gusha「そうそう! “本当に英語やめますか?”みたいな顔してくる!」

Kenja「顔はしてない」

Gusha「でもさ、最近ちょっと思うんだよ。解約って、“諦め”じゃなくて、“今の自分に戻る”感じなのかも」

Kenja「急にいいこと言うな」

Gusha「俺、動画減らしてから、コンビニ行く時間増えたもん」

Kenja「余白の使い方が小さい」

Gusha「でも夜風とか感じるぞ」

Kenja「規模は小さいけど健康にはなってる」

Gusha「あと、ラーメン待つ時間にスマホ見なくなった」

Kenja「……」

Gusha「前は“空白を埋めなきゃ”って感じだったのに、今はボーッとしてる」

Kenja「……」

Gusha「この前なんか、湯気ずっと見てた」

Kenja「それはそれで別の世界行きかけてる」

An image of sitting at a ramen restaurant, putting your smartphone down and staring blankly at the steam.

Gusha「でも油断すると、また増えるんだよな」

Kenja「まあ、新サービス毎週出るしね」

Gusha「昨日も“AIが自動で生活を整えてくれるアプリ”見つけた」

Kenja「お前まだ懲りてないな」

Gusha「ちょっと気になってる」

Kenja「やめとけ」

Gusha「でも、“今度こそ人生変わるかも”って」

Kenja「その感覚が一番危ないんだ」

Gusha「なあKenja」

Kenja「なんだ」

Gusha「人間って、“便利”を買ってるんじゃなくて、“変われそう感”を月額で買ってるのかもな」

Kenja「……」

Gusha「だから完全にはやめられない」

Kenja「……まあ、分からなくはない」

Gusha「あら?」

Kenja「ただ……」

Gusha「ただ?」

Kenja「昨日、“睡眠の質を測るアプリ”を入れた」

Gusha「入れてんじゃねえか!」

Kenja「今朝、“あなたの眠りは82点です”って言われた」

Gusha「他人に採点される睡眠、一番怖いだろ」

Kenja「でも、ちょっと嬉しかった」

Gusha「ほらもう始まってるって!」

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