The blank days are the ones that will be filled in first.

空白の日ほど先に埋まっている

Gusha「カレンダーの空白ってさ、予定がないんじゃないんだよ」

Kenja「いきなり何を言ってるんだ」

Gusha「空白のくせに、あとから全部埋まるだろ。あれ、予約済みなんだよ」

Kenja「予約してないから空白なんだろ」

Gusha「違う。未来の自分が勝手に予約してる」

Kenja「未来の自分を不動産業者みたいに言うな」

Gusha「今月の頭に見た来週の土曜日、めちゃくちゃ暇だったんだよ」

Kenja「そういう日はあるな」

Gusha「なのに気づいたら、洗濯して、買い物して、銀行行って、掃除して、一日終わった」

Kenja「それは予定が入ったというより、生活しただけでは」

Gusha「でも最初は空いてたんだぞ?」

Kenja「空いていたのはカレンダーであって、人生ではなかったんだろうな」

Gusha「おお、なんか名言っぽい」

Kenja「褒めてない」

Gusha「昔はさ、空いてる日を見ると『自由だ!』って思ってたんだよ」

Kenja「今は?」

Gusha「『ここに何か来るな』って思う」

Kenja「経験則だな」

Gusha「宅配の再配達とか、切れた電球とか、なぜか見ないふりしてた書類とか」

Kenja「どれも突然発生したわけじゃないな」

Gusha「そうなんだよ。ずっといたんだよ。物陰に」

Kenja「ホラーみたいに言うな」

Gusha「空白の日って、サボるための日じゃなくて、遅れてきた用事の集合場所なんじゃないか?」

Kenja「それは少し分かる」

Gusha「だから休みの日の朝って妙に忙しい顔してるんだな」

Kenja「誰が?」

Gusha「俺」

Kenja「自分か」

A woman, surrounded by papers and household chores on her desk, lost in thought on a day when she had no plans.

Gusha「でもさ、納得いかないんだよ」

Kenja「何が」

Gusha「平日の俺が残した問題を、休日の俺が処理してる」

Kenja「同一人物だからな」

Gusha「会社で言ったら大問題だぞ」

Kenja「引き継ぎとしては最悪だな」

Gusha「しかも休日の俺、文句言いながら全部やるんだよ」

Kenja「結局やるのか」

Gusha「だから未来の自分は信用してる」

Kenja「信用してるのに押し付けるのか」

Gusha「信用してるから押し付けるんだろ」

Kenja「それは少し危険な信頼関係だ」

Gusha「でも最近気づいたんだよ」

Kenja「何を」

Gusha「空白の日が埋まるのって、悪いことばっかりじゃない」

Kenja「というと?」

Gusha「散歩したり、本読んだり、昼寝したりもするじゃん」

Kenja「するな」

Gusha「それも最初から予定してない」

Kenja「確かに」

Gusha「つまり空白って、面倒なこと専用の場所じゃないんだよ」

Kenja「余白でもあるわけか」

Gusha「そう。だから全部埋めるのも違う気がする」

Kenja「珍しくまともなことを言うな」

Gusha「空いてる日を見ると不安で予定入れたくなるけど」

Kenja「分からなくもない」

Gusha「でも何も決めてない時間があるから、あとから入ってくるものもあるんだな」

Kenja「用事も休憩も、同じ入口から来るわけだ」

Gusha「そう考えると、空白って意外と働いてるな」

Kenja「何も書かれていないのに、一番仕事をしているのかもしれない」

Gusha「カレンダーの空白、給料もらった方がいいな」

Kenja「まず君が未来の自分に払え」

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