I can't agree with the order of the fortune telling.

おみくじの順番に納得できない

Gusha「おみくじってさ、吉が何番目なのか、誰か決めてるの怖くない?」

Kenja「そこを怖がる必要はない。おみくじは順位表じゃない」

Gusha「でも『大吉』『吉』『中吉』『小吉』って、明らかに並んでるだろ。あれ、運の体育祭じゃん」

Kenja「体育祭ではない。しかも神社によって吉凶の種類や順番は違う」

Gusha「えっ、じゃあ俺が昨日『小吉』だったの、全国大会なら何位?」

Kenja「全国大会という制度がない」

Gusha「じゃあ昨日の俺、県大会くらい?」

Kenja「おみくじに大会制度を持ち込むな」

Gusha「でもさ、『小吉』って名前がもう弱いんだよ。小さい吉って何? 吉をちょっとだけ貸してもらってる感じする」

Kenja「言葉だけ見ればそう感じるかもしれないが、吉凶の順序は単純に文字の大きさだけで決まるものではない」

Gusha「じゃあ『大吉』は?」

Kenja「一般には良い運勢とされる」

Gusha「『小吉』は?」

Kenja「良い運勢とされる場合が多い」

Gusha「じゃあ『吉』は?」

Kenja「これも良い」

Gusha「全員吉じゃん」

Kenja「そこだけ切り取るな」

Gusha「俺、神社で『小吉』引いたとき、ちょっと落ち込んだんだよ。『小』って付いてるから。そしたら横にいた子どもが『やった、吉だ!』って喜んでて」

Kenja「その子のほうが正しい楽しみ方かもしれないな」

Gusha「俺より精神年齢が高かった」

Kenja「おみくじは、結果だけじゃなくて中に書かれている内容を見るものでもあるからな」

Gusha「そこも変じゃない?」

Kenja「何が?」

Gusha「『待ち人来る』とか『旅行よし』とか書いてあるだろ。俺、待ち人って書いてあったから、駅でずっと待ったぞ」

Kenja「それはおみくじの読み方を間違えてる」

Gusha「三十分くらい待った」

Kenja「誰を?」

Gusha「知らない人」

Kenja「一番来ないやつだろ」

Gusha「でも『待ち人』って、かなり具体的じゃん。『健康に気をつけましょう』より、誰か来るって言われたほうが気になる」

Kenja「おみくじには昔からさまざまな項目があって、それぞれの内容を読む文化がある」

Gusha「じゃあ『旅行』って書いてあったら?」

Kenja「旅行についての運勢を見る」

Gusha「『失物』は?」

Kenja「失くし物だな」

Gusha「俺、これだけは信じた」

Kenja「何を?」

Gusha「『失物、出づる』」

Kenja「見つかったのか?」

Gusha「冷蔵庫から出てきた」

Kenja「なんで冷蔵庫なんだ」

Gusha「俺が入れた」

Kenja「それはおみくじの力じゃない」

Gusha「でも出づるって書いてあった」

Kenja「自分で入れて自分で出しただけだ」

Gusha「じゃあ俺の運勢、当たってるじゃん」

Kenja「その理屈なら、家の中のほぼ全部が予言になる」

Gusha「たしかに。『掃除、よし』って書いてあったら、掃除機が俺を褒めてくれたことになる」

Kenja「掃除機は褒めない」

Gusha「『願望、叶う』だったら?」

Kenja「内容を読んで、自分の状況を考えるものだろうな」

Gusha「じゃあ、おみくじって未来を当てる紙じゃなくて、紙を見ながら今の自分を考えるものなのか」

Kenja「そういう見方もできる」

Gusha「なんか紙のおみくじのほうが落ち着いてるな」

Kenja「人間が勝手に慌ててるだけだからな」

Gusha「俺、次に神社行ったら大吉が出るまで引こうかな」

Kenja「それはおすすめしない」

Gusha「なんで?」

Kenja「一回目が小吉で、二回目が末吉で、三回目が凶だったらどうする」

Gusha「……四回目に期待する」

Kenja「ほら、もう運勢じゃなくてガチャになってる」

Gusha「でも最後に大吉が出たら?」

Kenja「最初の小吉を捨てたことになるだろ」

Gusha「じゃあ、最初の小吉も持って帰って、最後の大吉も持って帰る」

Kenja「紙が増えるだけだ」

Gusha「運も増えるかもしれない」

Kenja「そういう発想で増えるものなのか?」

Gusha「知らない。でも、財布に大吉と小吉が並んでたら、ちょっと景気よくない?」

Kenja「……財布の中で吉同士を競わせるな」

A wooden *omikuji* (fortune slip) rack within the grounds of a shrine. Numerous white paper fortune slips are tied to it, with a stone lantern and a *torii* gate visible in the background. Bathed in natural daylight, the scene captures the serene atmosphere typical of a Japanese shrine.

Gusha「そういえば、引いたおみくじって結んで帰る人もいるよな」

Kenja「境内の決められた場所に結ぶこともあるし、持ち帰る人もいる」

Gusha「俺は持って帰る派」

Kenja「理由は?」

Gusha「あとで読み返したいから」

Kenja「それなら分かる」

Gusha「あと財布に入れとくと、財布を開くたびに運勢を確認できる」

Kenja「毎回確認する必要はない」

Gusha「でも財布開けるたびに『小吉』がいるんだぞ」

Kenja「小吉を飼ってるみたいに言うな」

Gusha「そのうち名前つけるかもしれない」

Kenja「やめろ」

Gusha「『コキチ』」

Kenja「急にペットになったな」

Gusha「大吉は『ダイちゃん』」

Kenja「完全に飼ってる」

Gusha「でも、そう考えるとさ。大吉が出た日って、何かすごいことが起きた日というより、帰り道にちょっと機嫌がいい日なのかもしれないな」

Kenja「……まあ、そういうものかもしれない」

Gusha「小吉の日も?」

Kenja「小吉の日も」

Gusha「じゃあ次、小吉だったらちょっと喜んでみる」

Kenja「無理に大喜びしなくてもいい」

Gusha「じゃあ財布の中で、コキチが待ってるくらいにする」

Kenja「……コキチ、悪くないな」

Gusha「ほら、もう飼ってる」

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