レシートの文字が消える前に
古いレシートは本来ただの紙切れのはずなのに、なぜか昔の空気や風景を連れてくる。記録と記憶の間にある、不思議な役割。
古いレシートは本来ただの紙切れのはずなのに、なぜか昔の空気や風景を連れてくる。記録と記憶の間にある、不思議な役割。
印鑑の横に置かれた試し押しの紙。何度も失敗するためだけに存在する。本番より先に失敗を引き受ける。
風鈴は温度を下げるわけでも、何かを運ぶわけでもない。それでも毎年聞きたくなるのはなぜなのか。役に立たないようで残り続ける音。
使うか分からないのに、なぜか捨てられない紙袋。実用品なのか思い出なのか曖昧な存在。
スタンプカードはただの紙なのに、なぜか捨てられない。特典目当てなのか、思い出なのか、それとも「また行くかもしれない未来」なのか。
財布のポイントカードは捨てたのに、スマホの会員アプリは増える一方。整理したはずなのに残り続ける理由、不思議な愛着。
折りたたみ傘なんて便利なだけの道具だと思っていた。でも、裏返っても戻る感じや、雑に扱ってもまた使う感じに、少しだけ人間っぽさを見つけてしまう。
サブスクを整理したはずなのに、また新しいサービスが気になってしまう。便利さより“変われそうな自分”に月額を払っているのかもしれない。
電子書籍は便利なのに、なぜか紙の本も手放せない。読んだ記憶、生活の跡、焼けたページの空気感。本棚に残る“妙な愛着”。
朝型が正しいと言われるたび、夜型は少し肩身が狭い。でも深夜の静けさには、昼にはない集中と妙な自由がある。